【ゲーム批評祭応募】フリーゲーム『MARIKIN ONLINE4』
こんばんは。
私、【ゲーム批評祭】なる企画に応募させていただいておりました。記事を張り付けさせていただきます。
「批評祭」であるにも関わらずまったく批評しておりません。感想です。ただの感想文です。
ですが、せっかく書いたので出させていただきます。
よろしくお願いします。
亜九静様制作フリーゲーム『MARIKIN ONLINE4』について、書かせていただこうと思います。
よろしくお願いいたします。
こちらのゲームの特徴は、「ONLINE」という名前ではあるがオンライン要素は一切なく純粋なRPGであるとか、下ネタ満載過ぎるとか、俗にいう白ハゲなキャラクターたちとか、絵が豊富であるとか、下ネタで構成された世界等色々あるのだが、個人的にはやはりストーリーについて語りたい。
基本全力の下ネタと怒涛のギャグで構成されているが、だからこそあえてシリアス路線で書かせていただく。
物語の核は、かつて「加害者」に故郷を滅ぼされた「被害者」の「復讐」となっている。
「加害者」はかつての行いを悔いているが、そんなことは「被害者」にしてみれば関係のない話であり、全力で殺しにかかってくる。
「復讐」をテーマにした物語においては、「復讐」する「被害者」側がその行動によって対象である「加害者」と同じ立場なってしまうアンビバレンスを描いている場合が多いと思われるが、このゲームもその例に漏れない。
ゲーム中に「加害者」が「被害者」の故郷をどのように滅ぼしたか、というのはしっかり見る機会も用意されており、また、「復讐」目的でない敵から「報復には十分すぎる理由」とはっきり言い切られる。
ただし、この敵は「息をするように毎日セクハラ」するガチ変態ストーカーであるため、言葉に重みが感じられない。
ともあれ、プレイヤーは「加害者」の所業が「被害者」の行動を引き起こすに足る非道なものであった、という事実を否応なしに認識することになる。プレイヤーが「加害者」を操作して虐殺するイベントも用意されており、「加害者」に対して悪感情を抱きやすく、「被害者」側に同情したり共感したりしやすい構造をあえて作っているように見受けられる。
しかし、上述したようにこのゲームは「「復讐」する「被害者」側がその行動によって対象である「加害者」と同じ立場なってしまうアンビバレンスを描いて」おり、「被害者」側も「復讐」の名のもとに多くの被害を出している。本来無関係な人々も巻き込んで多くの悲劇を生んでおり、「被害者」側もまた「復讐」の対象になってもおかしくない行動をとっている。
最初の目的は「加害者」の故郷を同じように滅ぼすことだったようだが、最終的に「加害者」にとって大切な人を殺そうとする、「加害者」が関係した町等をすべて滅ぼそうとする、という行動に出る。
このあたりに関しては「セクハラガチ変態ストーカー」が「お前を倒すことで満足するとは限らない」とも指摘しており、実際、ゲーム中の言動を見るに、「加害者」を殺したところで「被害者」の行動は止まらないであろうことはプレイヤーにも理解できるようになっている。しかし、このあたりの指摘をしているのは上記した通りの人物であるため、正直な話あまり頭に入ってこない。恐らく制作者側が狙ってやっているのだろうが、このあたり無駄にうまいと言わざるを得ない。このギャグとシリアスの切り替えも本作の魅力である。
無論、ここまで「被害者」を追い詰めたのは間違いなく「加害者」であり、また、とあるイベントで明らかになる「加害者」の真意に対しては、憎悪や殺意だけで収まらなくなるのも理解はできる。
一言で言ってしまえば、「被害者」の人生そのものを奪った、ということになる。「加害者」は「被害者」の人生を自分に対する「復讐」に固定し、「被害者」は「復讐」を思いとどまる、という選択肢を最初から潰された状態になっている。それによって「被害者」の人生だけでなく、「被害者」に関係する多くの人生を奪った、ということになる。
この「加害者」の真意に関してはプレイヤーごとに違う考えや感情を抱くことになると思われるが、私個人としては、
「地獄に落ちる「覚悟」を決めるのは結構だが、それなら一人で落ちろ。他人を巻き込むな」
などと考えたものである。
また、最終的に「被害者」と「加害者」が互いの考えと感情を一対一で真正面からぶつけ合う場面があるが、これに対してゲーム中では明確な答えを出すことなく終わっている。なかなかに考えさせられる場面であり、下ネタギャグが平気ならぜひこのゲームをやってみてほしいと思える名場面である。
この問答、とは言えないやり取りに関して、個人的な考えを手短に述べてみる。
「「加害者」を「赦す」か否かは、「被害者」が決められる。
「加害者」に「復讐」するか否かも、「被害者」が決められる。
「加害者」が「赦される」か否かは、「被害者」は決められない」
基本的に決めることができるのは自分自身の行動であり、他の誰か、あるいは倫理的な観点などから考えた場合の答えなどに関して、「被害者」も「加害者」も決めることはできないのだろう、と考えた。
結局は、「自分がどうするか」でしかない、ということかもしれないが、何度も書くように明確な答えはゲーム中では一切出ていない。
一応「加害者」が自分なりの答えを語る場面もあるが、あくまでも「加害者」なりの答えでしかない。このあたりに関しても、「納得する」か「モヤっとする」かで意見が分かれそうではある。
結局「加害者」の真意は色々と本末転倒なことになっているように感じる。もし「加害者」が「被害者」に殺される、故郷が滅ぼされるといったことが成された場合、「加害者」の仲間たちが今度は「被害者」を恨むことになる。たとえ「被害者」が死んでいたとしても、である。そのやり場のない気持ちが暴走しようものならまた悲劇を生みかねないのだが、どうも「加害者」は色々と抱え込み過ぎて暴走するタイプらしく、色々と考え込むがゆえにかえって視野が狭くなっていたようにも見受けられる。「覚悟」を決めた状況が状況だったということもあるかもしれないが、結局、その「覚悟」が多くの犠牲を出した、とも考えられる。
ちなみに「色々と抱え込み過ぎて暴走するタイプ」なのは恐らく「被害者」も同様であり、わりと似た者同士なのではないだろうか? 少なくとも「被害者」は確実に否定するだろうが。
そう考えると「加害者」はある意味において「最善」で、そして「最悪」の人選をものの見事に成し遂げたことになる。あの時点で「被害者」が目をつけられて当然の行動をとってはいたのも事実だが、無駄すぎる引きの良さである。
この先「加害者」はどうあがいても全力で生きていく以外に道はないのだが、それが一番本人にとって辛いことなのだろうな、と感じるセリフもあり、こういったところも下ネタギャグが基本要素であるにもかかわらず感動できる要素なのだろう。
とりあえず「加害者」には病にも怪我にも事故にも天変地異にも負けず、きちんと寿命を全うしてもらいたい所存である。それはもはや「義務」だろうし、なにより最終的に自分自身で選んだ道でもある。
万感の思いでエンディングを見終わった後もその続きを遊ぶことができ、その他様々なやりこみ要素が用意されているため、下ネタギャグに心折れない人なら全力でお勧めしたいゲームである。
ちなみに下ネタギャグに対応する秘訣は、
「ああうん、地名地名」
「昔の偉い人は何言っているのか分からないな~」
と、とりあえず深く考えず流すことだと思う。
では、フリーゲーム『MARIKIN ONLINE4』については、これで終わらせていただく。
お読みいただきありがとうございます。お疲れ様でした。
※【ゲーム批評祭】以降追加
アップデートによって色々とゲーム内での表現が変わったようです。
この記事の内容との差異が出ると思われます。
ご了承願います。
〈以下、反省文〉
最初にも書かせていただきましたが、これまったく批評じゃないんです。
そういう意味では【ゲーム批評祭】に応募するのは違いました。
しかし、せっかくこの企画を知ることができたのだから、参加したい、と考えたのです。
主催者のJini様にTwitterにて少々相談させていただいたのですが、Jini様は「どんな文章でも読む」とおっしゃってくださいました。お言葉に甘えて書いたのが今回のものです。
しかし、他の方のものを読んでいて、「参加したの失敗だったんじゃね?」と考えました。レベルが違うし、内容もやはり「批評」。当たり前ですが。
ゲームについて、自分なりに書いていくのは続けたいと思っておりますが、次なる【ゲーム批評祭】があったとして、私が参加するのかどうか、は実際分かりません。違うし。懲りずに参加しちゃう気もしますが。やっぱりゲームについて書くのは楽しいですし。
この企画を知ることができて本当に良かったと思います。
では改めて、お読みいただきありがとうございます。
本当にお疲れ様でした~。