人生雑論ノート

その日その時なんとなく思ったことを書き散らすだけの、偏屈ド変人の思考垂れ流しブログ。

フリーゲーム『ナントカ三術将』感想色々 その伍

 こんばんは。

 「三條」様制作フリーゲーム『ナントカ三術将』シリーズ感想、5つ目を書かせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

※ネタバレ配慮は一切ございません。プレイ後にお読みください。

※スピンオフ作品『占択◇スクランブル』は未プレイです。

※『ニチジョウ三術将』はこの感想書き終えて『占択◇スクランブル』遊びつくすまで読まないと固く決意しております。

 

  はい、まずは『ナントカ三術将』シリーズ感想リンク集です。

zaturon.hatenablog.jp

 では、改めてよろしくお願いします。

※今回内容の暴走率高め。 私はお兄様が好きで、弟君も好きで、黄色い人も大好きですよ。ウソジャナイヨ。

 

 では、今回は「兄」について書かせていただこうと思う。

 前回の時点で「守影術士」(以下「守影」)語りといいつつ、わりと「兄」語りになっていたようにも思わなくもないが、私個人としては「守影」を語るのに「兄」は外せないだろう、という考えがどうしてもあったらしい。

 では、改めて「兄」について「ないこと無いこと」(誤字にあらず)書いてみようと思う。

 個人的にだが、「兄」は暗殺者、諜報員、参謀などが結構向いてそうだと感じた。脳筋という評価も見かけたのだが、「兄」がある種の脳筋思考になるとしたら、守影術士関係、とくに「守影」に関してだと感じていたりする。私としては「兄」が脳筋とはあまり考えていなかったので「なるほど!」と感じた。

 それこそ、とくに「守影」が関わっていない「その肆」で書かせていただいたマンガの対応を見るに、攻撃を主軸にして相手の行動を分析予測する頭脳派のように感じていたのだが、私の見方が浅かったのかもしれない。これはこれで楽しい。

 実際のところ、「兄」は『ナントカ三術将2.5』のおまけを見るに、真正面から堂々と「守影」とやりあうには物理的には力不足のようである。私自身、おまけを見る前から、

「この人、暗殺とか諜報とかさせたらさぞ成果上げるやろうし、少数精鋭の特攻部隊任せて戦場引っ掻き回すのとか得意そうやな」

 などと考えていたので、真正面から「守影」と全く同じ土俵で戦ったら負けた、というのはあまり意外でも何でもなかったりする。でも大変面白かったのでものすごく笑わせていただいた、ありがとうございます。

 さて、「兄」の得意分野に関してだが、私自身は「兄」が弱いとは考えていないものの、己自身の武力を持って真正面から正々堂々、というのはあまり向いてはいないと考えている。その意味でいうと、『ナントカ三術将2』で行っていた強い存在との融合、というのは彼の特性から考えると実は悪手であったと思う。あれは結局相手と真正面から戦うことを前提としている。いっそ「守影」に暗殺仕掛ければよかったのに。

 「守影」は城の守りを任された「三術将」である。その守りをすべて突破したうえで「守影」の隙をついてナイフで一突きでもしてしまえばそこで勝敗は決するとは思う。もっとも、それで一番納得がいかないのは「兄」だろう。「守影」はむしろそうなったら「兄」の実力を認めそうな気がするが、はて……。

 「兄」は結局自分という存在を「守影」に認めてほしかったのだろうな、と考えているので、暗殺はそもそも却下どころか意識にあがることすらないだろう。だが「彩喚士」殺害に関してはそれなりにうまくやれていたし、引き際も悪くなかったと思う。彼自身が特にダメージを受けることなく、次の作戦に移れた。あの場で下手にごまかすような真似も意味がないので、あっさり口を割るのもおかしいとは感じない。だが、話し過ぎたようには感じる。何か言わずにはいられなかったのだろう。それは「守影」もである。

 あの場での兄弟の言い合いは、お互いの感情をぶつけあうだけではあったものの、彼らの互いに対する認識と立ち位置をよく表していたと思う。なんだかんだで「守影」も「兄」が気になって仕方ないのだなあ、と考えてしまった。気になっているからつい「あの時のままだ」などと要らぬことを話す。思惑があったにせよ、もっと違う話題を持ってきてもよかったのに。

 結局「兄」は「守影術を使う」ことにこだわったのだろう。とくに「大好きな大嫌いな弟」が嫌っている術を使うことに大いにこだわったのだろう。

 そうかそうか、そんなに弟に気にかけてほしいか。お前なんだかんだで弟好きだなドチクショウ。

 とりあえず、「兄」が最終的に融合相手として選んだのは「助手」だったわけだが、

「あ~、そうね。その子になりたいよね~。存在するという事実だけで無条件に全肯定される存在うらやましいよね~」

 などと考えた。うん、笑ってくれてかまいません。

 「兄」いわく、運命を感じたそうだが、まあ、うん、そうだね……。最高で最悪のタイミングで出会ってしまったのだろうな、と。

 「助手」になりたい、無条件にほめて認めてくれる存在がいるから。そして全肯定をしてくれるのが「彩喚士」なわけで、その「彩喚士」に「お前との話は有意義で楽しかった」とか言ってしまうわけだが、まあ、そりゃあそうだろう。楽しかっただろう。おそらく彼にとって人生初の真正面からの、何の含みもない高位術者からの賛辞である。「彩喚士」は「三術将にふさわしい」やら何やらと言いまくり、真っ向から「兄」の技量を認めて褒めそやすのである。楽しくないわけがない。しかしそういった賛辞が一番向けられているのは「助手」なわけで、一番ではない。

 もともと色々とこじらせている彼が、それでも「弟に認めてもらいたい!」という感情自体は最後まで、本人無自覚に持ち続けたのだろうなあ、というのは精神世界の「勝負だ!」で思ったことである。そして、どうもそれによって「守影」がしっかりと自分を見てくれたことに満足したらしい、気がする。悪魔になって何もかも破壊しようとしている時もものすごく楽しそうで、それまでの「兄」の笑い方とは明らかに異なっている。「夢幻操士」(以下「夢幻」)によって放逐されようとしている時も「すごい!」と、ただただその術と術士に対する称賛を述べ、「イヤだ」といった意味合いのことは言っていなかった。「お前は一体」という、「夢幻」に対する疑問が彼の最後の言葉だったのだが、そこに「自分がこの世界から消えてしまう」悲壮感が全くなかった。

 ちなみに「無印」の「子供」は「イヤだ、消えたくない!」と言っていたように思うし、『ナントカ三術将3』のラスボスも、自分が死ぬこと、消えることに対してものすごく必死に抵抗していた。清々しく笑いながら消えていった「兄」はかなり特殊である。

 ちなみに「彩喚士」も「無印」にて「いやだ、消えたくない」とか言っていたがこれに関しては「お前が言うな」と考えてしまう。私が鬼か……。「兄」は作中でいくつもの町を滅ぼしていたが、正直な話「彩喚士」のほうが内容に関してはエグイことやっているので、「彩喚士」が「兄」の行いに関していろいろ言うとやっぱり「お前が言うな」になる……。私結構陰湿に覚えているタイプ……。「守影」よ、陰湿とはこういうことを言うんだよ……。

 話が変わるが、「彩喚士」は各ラスボスからある種のラブコール受けまくっていたなあ、と考えると面白い。「子供」「兄」「3のラスボス」からそれぞれ、「認めてほしい」「理解してほしい」という意味合いで見られていたっぽいところがある。「兄」に関しては無論一番認めてほしいのは弟なのだけれど、無条件で肯定してほしくて「助手」になろうとしたことを考えると、弟とは別ベクトルだろうし。両手に花とかいうレベルじゃないなうらやましい。

 マンガで描かれていたように「兄」と「彩喚士」は結構相性がいいようなので、今回のことを起こす前に会っていた場合違う未来があった可能性を考えると面白い。

 ともあれ、「兄」は根本的に圧倒的な力で押し切るタイプではなく、作中の行動には悪手が多かったのは事実である。守影術を利用した敵の誘導の手際などを見る限り、からめ手は得意なようではある。マンガを見るに、自分自身で相手を倒さなければならない意識も特にないようだ。自分より他の者の方が向いているなら躊躇なく頼むし、助言もできる。最初の方で書いたが、私が考える「兄」の適役は暗殺者、諜報員、参謀などであるが、実はこのあたりを踏まえた場合、貴人の護衛に関しては恐ろしいほど向いている。

 「守影」の場合、自分が攻め込む側の思考はあまりなさそうだが、「兄」は自分ならどうするか、そしてそれに対してどう対処するか、という思考で相手の経路を予測し、誘導して始末することも可能ではないかと考える。ガチガチに守りを固めるのではなく、相手の行動を予測したうえであえて隙を作るのである。また、城内に入り込んで色々と探っている間者などがいた場合、あえて接触してけん制するか情報を探るか、隙を見て始末するといったことも積極的に行いそうである。

 「守影」にその柔軟性がないわけではないだろう。『ナントカ三術将3』にて、「彩喚士」をうまく誘導している。とはいえ、これは「兄」のやり方を真似した可能性も若干ある。そもそも『ナントカ三術将3』においては、それまでと比べると「守影」がやけに積極的に動いていたようにも思える。「兄弟の仲はいい方がよい」という意味合いのことを言っていたこともあり、やはり「守影」なりに「兄」との関係で思うことがあったのかもしれない。

 とはいえ、この二人では術に対する考え方や戦闘時の思考自体が根本的に違うので、あまり比べようもないかもしれない。にもかかわらず「守影」の土俵で戦う「兄」の愚かさを嘆くべきか、その一途さに感嘆すべきか迷うところである。

 ちなみに、「守影」は城そのものの守りを固めたりする方が得意だろうが、「兄」は逆に苦手かもしれない。こういった差も考えられるのがこの二人の面白いところの一つでもあるだろう。手を組んでいたら鉄壁過ぎて突破できる気がしない。

 だが同時に、兄はやはり自分から攻めていくのも向いているので、ある意味オールラウンダーである。守影術で守りを固めつつ敵をうまく誘導し、余計なものは無視して敵の大将の首をとって無傷で帰ってきそうな気すらする。社交性も高いので、一つの部隊を任せて部下を守影術で守りつつ、敵を足止めしたり同士討ちさせたりしながら部下を鼓舞して攻め込むといったこともできそうで、やはり有能に思える。恐らくこれらをやろうと思えば割と簡単にできるのではないだろうか。

 ちなみに「笑顔の守影術士はうそつき」とのことだが、いついかなる時もウソをついているわけでもないし、基本誰だって笑顔であろうがなかろうがウソはつくので、「だからどうした?」とも感じる。むしろ「絶対に嘘をつかない」ということがバレバレの方が貴人護衛に関しては向いてないような気もする。できないということは決してないのだろうけれど。「守影」は貴人護衛の経験がかなりあるようだし。

 あと、守影術士の力に目覚めると感情が乏しくなる、というのは明らかに違うような気がする。「守影」は自覚がないかもしれないが、結構感情豊かだし、意外と顔に出ている。精神世界で「兄」をみて「なんでそこまで」などと戸惑ってもいるし、そもそも「兄」関連においては感情が前面に出て爆発しているように見える。単純に表面化しにくくなるだけなのだろう。あれ? 意外に相思相愛だなこの兄弟。

 ラストバトル後、「兄」がどうなったのかは分からないが、最終的に望みが叶ったという意味では幸せだったのかもしれない。事実嬉しそうだったし。だが、悪魔となった彼が死ぬことができるのかが少々心配ではある。まったく何もない空間で、死ぬこともできず存在し続けるのはさすがに想像するだけでキツイ。それだけのことをした、ということなのだろうか。じゃあ「彩喚士」はどうやねん。

 飛ばされた空間の先でまったくの異世界に行って学園ラブコメにでも巻き込まれていることを願うばかりである。むろん彼が得する意味で。『フォーチュンクエスト』とかでもいいけれど。高レベル魔法使いとして重宝されるかもしれない。

 

 というところで、今回は終わりとさせていただきます。

 お疲れ様でした~。

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