こんばんわ。
フリーゲームの感想、せっかくなのでもう一発行っとこうかな~、と考えました。
個人的推しゲー「BLUE☆STAR」様制作『Witch's Heart(ウィッチズハート)』についてテキトーに書かせていただきますよ~。
※ネタバレ配慮なし。プレイしてからお願いします!
※プレイの推奨年齢は15歳以上
まず、「Freem!」にあるゲームの注意書き。
※このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現や
ホラー要素や鬱要素や抽象的な性的表現が含まれております。
それらの要素を嫌悪される方はプレイを控えることをおすすめしております。
あくまで、舞台は西洋"風"の場所でございますので
実在する場所ではありません。
世界観を壊さない程度ですが、洋式では無い箇所もあります。
また、物語がどのような展開になっても許せる方向けでございます。
この記事では『Witch's Heart(ウィッチズハート)』一作目及び、二作目『『Witch's Heart -Bonus Stage-(ボーナスステージ)』の内容を二つともを含みます。
プレイ済みオンリー。プレイした人だけがこの続きを読む権利を得ます。
未プレイの方はまずダウンロードの後全力でプレイしてください。
まずこの物語は「オールバッドエンディング」。どうあがいても死ぬというか、あがきようもなく死ぬ。とにかく死ぬ。しかも物語を進めていくほどひどくなる。
限られた空間で限られた人間と悪魔たちがつづる物語。
人の不幸が大好きな悪魔大歓喜の物語。
とりあえず、この世で一番怖いのって人間だな、と改めて考えてしまうゲーム。
このゲームで一番手ごわく、残酷で、容赦ない人が一番普通の人という皮肉。他は「魔女」「魔女信者」「不老不死」「化け物(?)」というラインナップ。
「魔女」は心優しすぎて人を疑わないし、そんなことするくらいなら自分が死ぬことを選ぶ人。
「魔女信者」は単純につらい時に助けてくれた人が「魔女」と呼ばれるようになってしかも殺されてしまった不幸な人。
「不老不死」は永く生きすぎて疲れちゃった割と善人。
「化け物(?)」はヒロインかつヒーローポジという意味不明の人。世間知らずの天然ボケ。
この物語のキーワードはこちら。
「あなたには、人を殺してでも、叶えたい願いはある?」
そしてこの物語には、人を殺してでも願いを叶えたい人たちがいます。
何気に一番こちらを殺してくれているのが「普通の人」。全然普通じゃねえ。殺戮回数すさまじすぎるわ。
しかし「不老不死」も結構頭ぶち抜いてくれてます。謝るくらいなら殺すの諦めてください。
「魔女信者」に関しては事故。基本事故。追い詰められすぎてパニクった。不幸すぎる。
「化け物(?)」当然殺戮回数ゼロ。当たり前。だってヒロインかつヒーローですから。だれの? 「魔女」のです。
悪魔に関しては後に回して、とりあえず人間組についてチョコチョコ書かせていただこうかな~、と思います。
「普通の人」。普通じゃないけど普通の人。ピッキングできる、流れるようにウソをつく、生きたままメスで心臓を抉る。
過去にいろいろあって願いをかなえたい人。そのためなら手段を選ばない。
とりあえず、この人の願いは絶対に叶わないし、叶ったとしても物語の中でのやり方であるなら、それによってつぶれるのは彼自身である、と断言します。
はっきり言いますが、この人登場人物の中で一番精神力弱いです。ぶっちゃけ弱いから無茶苦茶やらかす。そして本人余裕なさ過ぎて一人で追い詰められていってさらに弱るの悪循環になっている。
精神力強者の「魔女」「魔女信者」が殺されまくっているのは結構皮肉。この二人は精神的に強いからこそ犠牲になっている、ともいえる。
この人とほかの人との明確な違いは、まず幸せな時間がかなり長くあったこと。他の人たちは基本的に幼少期に結構きつい目にあっている。そして、それでも自分自身の足で立つことを選んだ人たちでもある。
「普通の人」は自分の足で立つことを拒んだ人である。彼の願いは「自らの足でしっかりと立つ」ということとは真逆の意味合いを持つ。彼は自分だけで生きていくだけの力を持つことができなかった。
友人からの裏切りが心を抉ったのであろうことは物語を見ていればよく分かる。しかし、「普通の人」を支えようとしてくれている友人もいて、裏切った友人に関して悔やんでもいた。勉学が優秀な「普通の人」に対する思うところもあったようだが、「普通の人」の悲劇でそんなことは吹っ飛んだ。「普通の人」の不幸を喜ぶのではなく悲しみ、支えようとしてくれる友人であった。
しかし、「普通の人」はそれを受け入れなかった。大事に思っていた友人が、自分の大切なものを奪っていった。この経験が、「誰かを信じる」という選択肢を根本的に捨てさせたらしい。
彼の視点での世界はかなり強烈である。誰かを信じる、という以前に、恐らく自分以外のものすべてが自分たちを陥れる「なにか」にしか見えていない。だからためらわないのだろう。
「信じたって裏切られる!」
これは「普通の人」の信念である。
しかし、仮に願いがかなったとして、彼の欲していたものはどのみち戻っては来ない。なぜなら、「普通の人」自身の行動こそが、それを遠ざけているからである。
彼は精神的に弱い。本人あまり自覚がないだろうがあの場において一番の精神的弱者である。
結局のところ、彼は「願い」を免罪符にしているだけでしかない状況となっている。恐らくだが、この物語が始まるまでにもいろいろやらかしているだろう。手慣れている。「願いのため」に「願い」を言い訳にして自らの行為を正当化しているのだ。
意地の悪い見方をするのなら、
「大事な友人に裏切られ、大切なものを失った自分にはこうしてもよい権利がある」
と考えている可能性すらある。
どういった過去があろうと、「普通の人」の行為はすべて「普通の人」自身の意志と決断によるものである。「願い」があろうとなかろうと、どんな卑劣な裏切り行為があろうとも、彼の行いは結局彼自身のものでしかない。「普通の人」の行いは「過去の裏切り行為」に原因があったと言うことはできても、責任があるとは言えないのである。
さらに言ってしまおう。彼は根本的に自分の願いが叶わないことなど、理解している。表面的には「願い」を糧に突き進んでいるように見えるが、実は逆である。
先ほどよりもさらに意地の悪いことを言ってしまおう。「普通の人」の目的は、復讐である可能性がある。自らの不幸に対して、「願い」を免罪符にして当たり散らしているに過ぎないのではないか。
もともといた街でそれをしなかったのは、彼なりに愛着があったか、思い出が大事だったか。あるいは、「願い」が叶えばまた戻ってくるから、という理由かもしれない。
「願い」のために行動している以上、その「願い」に反することをするわけにはいかない。
しかし、自分がこんなにも不幸なのに、他の奴はそうではないのが許せない、と考えているかもしれない。
「魔女」のような人間、「普通の人」にとっては癪に障ることだろう。自分の不幸に対して、明らかに幸せそうに「見える」からである。実際のことはどうでもいい。根本的には興味ない。ただ、恨みを果たせればそれでいいのである。
ある意味において「普通の人」の行動原理は、とある悪魔、それも「ヘイター」の一人とかなり似ていると思われる。
「みんな、みんな、不幸になれ!」
これがかの「ヘイター」の胸の内である。明るくふるまいながら、誰かを、誰であろうとも不幸になることを望む。
「普通の人」もこうではないかと考える。
この「ヘイター」と「普通の人」は案外似ている部分が多く思われるが、それは私の個人的なものにすぎないだろうか?
ちなみにこの「普通の人」だが、一見知的で落ち着いた「大人」に見えるが、実際のところ精神的に幼いのではないかとすら感じる。普段かなり感情的にふるまうことが多く見える「魔女信者」はその実精神的に成熟しているように思えるので、この二人の対比もかなり面白い。
さて、「普通の人」が「願い」を免罪符にしているという部分だが、「普通の人」の夢の中では「いつ助けてくれるのか」と恨めしそうにしている「願い」がいる。
一見すると、この「願い」によって「普通の人」が束縛されているように感じるかもしれないが、これも実は逆である。
自分の行動の正当化のためには、それらが自分に行動を促してくれる必要がある。言ってみれば、「普通の人」がいつまでもそうやって苦しい中に「願い」を縛り付けている、と見ることができるのである。
仮に「願い」の方が「普通の人」と同じ立場になったとして、同じ行動をとるかというと、恐らくだがしないのではないだろうか?
「普通の人」がしっかりしていて「願い」の方が甘えている、ように見えるが実際のところ、寄りかかっているのは「普通の人」の方であるように、思えてならない。
そして、人を助けるために学んできたであろう知識を平然と他人を貶めるために使う「普通の人」に対して、「願い」たちは微笑んでくれるだろうか?
いや、「普通の人」自身が、耐えられるだろうか?
いうなれば「願い」を「人を不幸にする道具」にしてきたも同然であるが、「普通の人」はそれから目をそらし続けることができるだけの精神力は恐らくあるまい。
だから、どのみち「願い」は叶わないのである。
そう、「願い」は叶わない。だからこそ彼は「願い」を叶えるために行動し続けるのである。
とこんな感じで、今回は終わりますね~。
キャラがまだまだいますので、続きが必要ですかね~。
では、お疲れ様でした~。